カント
2019-12-01


「カント先生の散歩」(竹内紀著)を読んだ。カントという人間のほんの一端がわかって面白かった。この人哲学者だけあって、社会のこと人生のこと、そして世界のことなどをしっかり見つめていた。政治についても同じで、その本質を見抜いていたようだ。二百年以上前、日本の江戸時代に、当時の政治家の本質を見抜いた3箇条を書いている。ちょっと長いですか読んでみてください。面白いですよ。
「その並外れた特徴は、二百年以上も前に生まれたものでありながら、おそろしく現代的だということだ。たとえばカントは「行動派を自称する政治家」について論じているが、実践を誇りつつ彼らが考えていることは「現在支配している権力に寄り添い」、そして「自分の利益を失わない」ことだけ。そのためには国民を犠牲にするのも厭わない。さらに彼らの信条は、つぎの三点にまとめられるという。
1  まず実行、そののちに正当化。   
2  過ちとわかれば責任を転嫁。   
3  ライバル同士を離反させて支配。  
直ちに身近なあの政治家、この政治屋が浮かんでくるだろう。カントは「のんきな夢をみている哲学者」を装いながら、おそろしくリアルに権力者をながめ、その典型をあざやかに書きとめた。いまさらながら知力のものすごさに脱帽せずにいられない。」
今の政治家と比べてどうでしょうか。

禺画像]


[読書(雑誌を含)]

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